東京ビッグサイトで開催された東京モーターショー2011
ようやく十数年ぶりに東京開催に返り咲いた日本を代表するモーターショーだが、
やはり自転車業界とは規模が違うことにあらためて気付かされた。
ほとんどが、自動車、オートバイの展示である中、ヤマハのブースでは、
積極的に電動アシスト自転車の展示が行われていた。
その中でも一段と目を引いたのは「パスウィズ」というコンセプトモデルであり、
おそらくサイクルモード2009で登場した「PAS er(パスエア)」の進化版であると考えられるものだ。
「PAS er」もフロントにインハブモーターを採用したコンセプトであったが、
こちらもその流れを引き継いでいるようだ。
他社でも、かつてのサンヨーやパナソニックがフロントインハブモーターを積極的に
リリースしてきたが、その背景にあるのはやはり回生充電機能だろう。
現在ではハイブリットカーも含め「エコ=回生充電」の構図があるが、
この回生充電を効果的に行えるのはフロントにインハブモーターということになる。
ただ市販となるとフロントモーターの実績に乏しい後発のヤマハは、パテント問題に
苦慮する可能性も考えられなくはないが・・・
1993年に発売された初代PASはフレームをすべてカバーで覆うなど、
あえて“自転車らしさ”をなくした、新時代の乗り物というイメージであったが、
近年では「普通の自転車+モーター」といったものが主流となっている電動アシスト業界。
近代的50ccスクーターを見て「原動機の付いた自転車」とかつての姿を想像する人がいなくなったように、
ぜひこの未来路線で、「亜種自転車」という世間のカテゴライズから脱却を果たしてくれればと思う。
PAS er(パスエア)動画 2009年
PAS WITH(パスウィズ) 2011年
スペックはほとんど非公開であり、コンセプトの域を脱してはいないが、
モーター出力は最大規定値である250wを下回る240w現在のPASシリーズと同じ値であり、十分に公道を走れる可能性がある。
正直自転車パーツといえば、グリップ、ペダル、サドル、タイヤくらいなもので、
あとはすべてオートバイのようなメーカーオリジナルとなる。
自転車が登場して100年以上ものあいだ、「アッセンブル商品(寄せ集め)」と言われていたが、
その常識をも打ち破るインパクトが十分にあるだろう。
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