「この自転車にドロヨケは付けられますか?」
お客さんにそう聞かれたら、多少なり腕に覚えのある自転車店であれば、
どんなフレームでも迷うことなく「付けられますよ!」と答えるだろう。
では、ちょっと意地悪なお客さんが、
「この自転車に"美しく綺麗”にドロヨケは付けられますか?」
そう聞かれたのなら、誰もが二つ返事というわけにはいかないだろう。
ドロヨケの装着を前提としたフレームには作成の段階で必要な加工を行うのが常識であり、ツーリング車の製作のほとんどがいまだにカスタムビルダーの手によるものである理由は、ユーザーのニーズが多様であり、ツーリングと一言に言っても、パッケージ化するのが極めて困難だからに他ならない。
今回は珍しいチタンフレームのツーリング車の隠し止め台座加工を行った例を拝見する機会があった。
ブリッジ位置も現物合わせで図面を起こしての作製であり、かなり気合の入った仕上げとなっている。
※作製した工房については非公開とさせて頂きます。
下ブリッジ ドヨロケ台座加工
上ブリッジ ドヨロケ台座加工
リアエンド ドヨロケダボ
チタンは加工の困難さから高コストになりがちで、あまり普及はしていないが、
ほとんどの面においてスチール素材を凌駕しており、ツーリング車にとってはまさに理想的な素材と言える。
ちなみに検索エンジンで「チタン ツーリング車」のキーワードで検索すると、
江戸川区のライトサイクルさんでオーダーを受け付けているようだった。
チタン製ツーリング車
http://www.light-cycle.com/titour.html
登録:
コメントの投稿 (Atom)
人気のトピックス(全期間)
-
メリダ(MERIDA)といえば台湾を代表する世界的な自転車メーカーであり、その規模は業界最大手のGIANTに続く二番手を行くトップメーカーだ。 しかし日本での知名度は低く、トレックやキャノンデール、スペシャライズドといった花形ブランドの影でひっそりとしている印象がある...
-
今や完組みホイール全盛期で手組みホイールのシェアは「風前の灯」と言っていい。 フィクションサイクルが手組みホイールの終焉を予感したのは遡ること10年以上、あの名作ホイール「MAVIC KSYRIUM」を手にした瞬間だった。 完組みならではの自由な設計と、理想的なスポーク...
-
世の中に50mmハイトのカーボンホイールはどのくらいの種類があるだろうか。 DURAのC50、MAVICのコスミック、フルクラムのレーシングスピード、そしてカンパのボーラ・・・ 数えだしたらキリが無いほどのホイールが存在する、まさにディープリムの王道、50mmハイトカテゴ...
-
デュラエース (DURA-ACE) は、シマノが作るロードバイク用のコンポーネントである。 同社ではコンポーネントにグレードを設けて販売しているが、その中で最高峰に位置する。 シマノは現在多くの部品を海外工場で生産しているが、マウンテンバイク向けの最高級コンポーネントである...
-
自転車界の本当の巨人といえば、台湾のGIANTではなく、日本の「シマノ」だろう。 こんなことを今更言うのもなんだが、自転車を扱うということは、全てがシマノの利益に繋がっていると言っても過言ではない。 よく安価な通販商品にて「日本ブランドのシマノのパーツを使用しています...
-
リチウムイオン二次電池の安全で正しい使い方 01.電池を高温になる場所に放置しない 02.電池を熱源のそばに放置しない 03.取り扱い説明書を読む 04.電池を濡らさない 05.電池は決められた充電器、ACアダプターで充電する 06.電池は充電器や機器に正しく...
-
始めに言うと、 ブリジストンタイヤはサイクル用タイヤを作ったことが過去に一度も無い 、というのが業界内での常識だ。 ※ブリヂストンタイヤ=株式会社ブリヂストン 以前まで、いわゆるママチャリ用などの一般タイヤはIRC(井上ゴム工業)のOEM生産が多く、インドネシ...
-
こんなタイトルを自転車屋が書くとは、身内や同業者から批判が出そうな気もするが、スペックを読む限り有名ブランドのカーボンホイールとどこが違うのか、はやり販売店としては確認しておかなければならない。 という言い訳を用意しつつ、レビューをおこなってみたいと思う。 世の中では...
-
TEAM LAMPRE-MERIDA が採用するCF4 lite MC フレームを搭載したレプリカモデル チームからの要望により作られたオールラウンドなパフォーマンスを実現するSCULTURA CF4 lite MCフレームを採用。Shimano Dura-Ace や...
-
前回の剥離作業から3日ほどで、やはり剥き出しの表面には軽い錆が出てきてしまった。 鉄という素材は実に錆びやすいとあらためて考えさせられる。 前回までの内容 「RAWカラー」クロモリフレームの作り方 【前半】 http://fiction-cycles.blogspot....
0 件のコメント:
コメントを投稿