2014年10月27日

REACTO CF TEAM(メリダ リアクトCF チーム)実車インプレ

先日、「自転車に乗らず「見た目」だけでインプレ記事は書けるのか?」という内容をアップしたが、そのままではただの妄想に過ぎない。
今回は実車を用意してインプレに望みたいと思う。

前回の記事
自転車に乗らず「見た目」だけでインプレ記事は書けるのか?
http://fiction-cycles.blogspot.jp/2014/10/blog-post_2.html

REACTO CF TEAM



主だったスペックなどは前回書いたが、使用した機材はほぼカタログ仕様ながら、車体性能をシビアに吟味するため、ハイトの高い純正ホイールは交換している。
テストライダーはフィクションサイクル店長の他、サイクルフレンドカネミヤ店長の金宮氏、現役某実業団レーサーである渡邊氏を迎えて行った。
金宮店長は今では第一線を退いてはいるが、全盛期には世界戦にも出場した実力派ショップ店長だ。

比較用に用意した機材は、同じくメリダ製のスクルトゥーラと、アルミレーサーの2台となっている。
本来であれば、リアクトのアルミフレーム版である「リアクト400」を用意するところなのだが、現在商品が品薄ということで仕方なく他社のものを使用してインプレに望むことになった。

ちなみに金宮店長は先日のメリダキャンプで「リアクト400」の試乗を体験しており、インプレ中にその比較について触れている。

※登場する人物は仮名です



次世代カーボンロードの実力

フィクションサイクル店長(以下:店)
「さて、みなさん気になってたとは思いますが、このリアクトについてのファーストインプレッションはどんな感じでしょう?」

金宮店長(以下:金)
「まさに見た目どおりの剛性感だね。けど俺らがレースやってた時のいわゆるプロ向け機材の硬さとはかなり違う」

渡邊(以下:渡)
「僕はかなり気に入りました。今レースで使っているTNIのPodiumがあるんですけど、それより遥かにタワミが少なくて前に出る感じが好きですね」

店:「自分も同じような感じかな。見た目からしてスパルタンな乗り味かと思ったけど、許容範囲が広いっていうか、限られた人しか受け入れてくれないかつてのコルナゴのようなハードルの高さはまったく無い」

金:「そうそう、不思議だよね。硬いんだけどガッチガチじゃない。こちらの踏力に対して跳ね返してくるような素振りはないね。もう答え言っちゃうけど、このバイクって限りなくダッシュ力を持った万能選手だよね。平地は速いし、登りもこなせないわけじゃないけど、なによりダンシングが楽しい(笑)」

店:「ダンシングの軽快さは本当に良いですね。ジオメトリーで見たけどこのバイクってBBハイトが61mmでかなり腰高だから、それが要因なのかも」

渡:「さっき冗談で「弱虫ペダル」の巻島センパイのアレやってみたんですよ、ピークスパイダーを意識して思いっきり振ってみても反応がめちゃくちゃ早いから、かなり再現できたかなって(笑)」

店:「ああ、あれ足でも攣ったのかと思ってた(笑)」

金:「このフレームってしっかりしているからブレないでしょ?まるでレールの上を走っているような安心感があるし、レースでも不安に感じないってかなり重要だもんね」


リアクト vs スクルトゥーラ

金:「これ難しいね。両方ともオールマイティーって言われてるけど、方向性が違うもん」

店:「たしかに踏んでいってどっちが速いかってやったらリアクトに軍配が上がるけど、しなやかさとか、乗り味の良さっていう点ではスクルトゥーラだろうな」

渡:「どっちも良いバイクと思いますけどね、僕がどちらかを選ばなくてはいけないとしたら絶対にリアクト。レース機材としてなら申し分無し」

店:「勝ちたい人はリアクト。ジャンル問わず万能に乗りたい人はスクルトゥーラってとこかな。今回のテストライダーは全員が比較的大柄のパワー系が集まってしまったため、リアクトをバンバン踏んでいくような乗り方だったけど、小柄な人やクライマー系だったらスクルトゥーラのほうが断然良いってことも大いにあるだろう」

渡:「振ってみての軽さはスクルトゥーラのほうが上のような気がしましたが、スペック上は同じくらいなんですよね?」

金:「カタログ重量だと、リアクトが6.9kgなんだけど、実は測ってみたら7kg余裕で超えてた(笑)個体差かもしれないけど、今回はスクルトゥーラのほうが軽いってことで間違いなさそう」


リアクトCFチーム vs リアクト400

店:「残念ながら実現しなかった。ということで金宮店長お願いします(笑)」

金:「リアクト400についてはいろんなところで書かれているけど、思ったより断然良いバイクだったね。ただあのシルエットをアルミで再現したらどうなるかなんとなく想像はつくけど、剛性感で言ったらトップクラスじゃないかな?反応も良かった」

店:「じゃあリアクトCFチームに劣るところは?」

金:「やっぱり重たいこと。それにアルミということもあって衝撃吸収とかしなやかってことに関してはカーボンには敵わない。短い距離で勾配が少ないクリテリウムとかだったら速いのかもしれないけど、金額面以外であえて選ぶというメリットは無いだろうね」

渡:「今回用意した他社のアルミロードにリアクトから乗り換えた時に感じたんですけど、あれ?こんなに硬かったっけ?って正直驚いた。逆に言えばリアクトってやっぱりカーボンの良さを最大限に発揮しているなって思いました」

店:「リアクトはたしかに硬くは感じるけど、まだボトムのウイップしてる感触はあるし、下りでの路面の追従も良い。アルミロードは完全にダイレクトだけど、リアクトはダイレクトに見えてちゃんと溜めがあるってことだろう。ただ乗り手がそのわずかなディレイをストレスに感じないという高度な設計だと思う」


リアクトの気になるポイントチェック

店:「リアクトにはちょっと気になるポイントがあるんだけど、まずダイレクトマウントブレーキ、それとエアロ特性。さらに細かいところだけど、S-FLEXシートポストの効果なんかはどうだろうか?」

渡:「エアロ効果はたしかにありそうですね。平地の巡航スピード維持がしやすいのはこのおかげだと思う。さっき金宮さんがアタックかけた時にメーター見ながら後ろ追いかけたんですけど、後半の垂れが少なくてビックリした。しかも僕最後に差せなかったし(笑)」

金:「巡航は確かに楽だね。けど見た目ほど効果は体感できないかな。どちらかというと後からジワジワ効いてくる感じ。反対によっぽどの横風でも受けない限りは風に煽られる心配はしなくてよさそう」

店:「この形状はただエアロ効果を求めるってよりは、剛性を高めるため大径化したパイプの処理として良い方向に機能したもものかもしれない。そう考えればすべてが理に適ってると言える。さらに資料によればエアロ効果で100km走って2分も早くなるって言うんだから、1kmあたりに換算して1.2秒の短縮って本当なら凄いことだ」

金:「個人的に一番お気に入りなのがこのダイレクトマウントブレーキ。これすごいよね、良く効くしコントロールしやすい」

渡:「ブレーキはすごく良いですね。最初はあまり効かないのかと思ったけど、操作に対して確実に動くから安心して制動できる」

店:「自分も最初はどうなのかな?って思ってた。他のインプレでダイレクトマウントは効きにくいって書いてある記事があって、そうなのかな?って予想してたら見事に裏切られたね(笑)」

金:「俺はMTBも乗るんだけど、ロードのブレーキってガッツンだったり、弱かったりで好きじゃなかった。けどこれはファーストタッチは優しくて、握りこめばその力がリニアに制動力に返ってくるからコントロールしやすいし、絶対的な制動力は普通のキャリパーよりかなり高い」



店:「見た目がなんとも効果ありそうなS-FLEXシートポストだけど、これって実際どうなの?」

金:「どうだろ?分かんない(笑)」

渡:「下からの突き上げはあまり感じなかったけど、これがどんなふうに動いたかは分かりませんでしたね。ラバーが衝撃を吸収するのかと思ったけど、ただの飾りみたいですし」

店:「そうそう、ラバーを引っ張ってみたらポロって簡単に外れたのは軽くショックだった(笑)まぁメリダのことだからしっかりとした設計に基づいているんだとは思うけど、目に見えて動くような代物では無いってことだね」

リアクトのトータル評価はどうなのか?

金:「メリダのロード3兄弟(リアクト、スクルトゥーラ、ライド)の中では最も戦闘力が高いし、一定以上レベルの乗り手だったらこれ行くしかないでしょ?」

渡:「正直なところ、本気で乗換えを考えちゃうくらい気になる存在ですね」

店:「うん、すべてにおいて悪くはない。けど自分のような使い方だったら、このバイクはちょっと合わないかもなって思う部分もある。ちょっと話が逸れるけど、以前お気に入りだったコルナゴのエクストリーム・パワーってフレーム。すっごく速いバイクなんだけど、油断させてくれないっていうか、目が覚めるっていうか(笑)さすがにリアクトはそこまでシビアなバイクじゃないだけど、やっぱりリアルレーサーだなって」

金:「確かに。あの手のバイクは目的がはっきりしてるからね、リアクトも勝つために生まれたバイクだから、乗り手にも頑張ってもらわなきゃっていうオーラは出てる」

店:「それが好きか好きじゃないかもあるだろうけど、このビジュアルも相まって2015年モデルの中じゃかなりの人気車種になるかもしれない」

誰でも手が届きそうな幅広い価格設定

日本に入荷するリアクトは5種類。

REACTO TEAM-E (カーボンフレームDura Di2仕様)
¥1,000,000(税込)

REACTO DA LTD (カーボンフレームDura仕様)
¥499,000(税込)

REACTO 4000 (カーボンフレーム105仕様)
¥259,000(税込)

REACTO 400 (アルミフレーム105仕様)
¥167,900(税込)

※フィクションサイクルは架空の自転車店です。メリダの取り扱いは行っておりません。

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