ルイガノ LGS-CCTは標準的なシクロクロスバイクの入門グレードとして2003~2007年まで販売されたモデルで、年式によって仕様はやや異なるが、ツーリングやポタリング用として人気があった。
メーカーもそれを知ってか、2008年よりモデル名がLGS-CTと変わり、フレーム素材がアルミからクロモリへ、そして古きツーリング車を思わせるクラッシクなコーディネートとなっている。
その中でも異色だったのが2005年モデルで、シクロクロスでは基本的に使用しないサスペンションフォークが採用されている。
ドロップハンドルにサスペンションという組み合わせは現在ではLGS-RAC DTなどに継承されているが、当時としては珍しく、クロスバイクの進化の過渡期に見える亜種であったと言える。
今回はN氏からのオーダーで、この自転車を通勤やちょっとしたツーリングに使えるような仕様にカスタムしてほしいという要望があった。
正直なところ何年にも渡り使い込まれた実車を目の前にしたときは、「これは新造したほうがいいんじゃ・・・?」というほどにフレームはねずみ色にくすみ、パーツは消耗の限界を向かえ、ホイールの歪みがひどく、自走不能状態であった。
しかし、数々の旅などの思い出が残るこの自転車をなんとか生き返らせてほしいと言われ、請け負うことなった。
リペア内容
・フレーム軽研磨(汚れが固着していて塗装が溶けるほどの溶剤でないと除去できなかったため)
・前後ホイールのスポーク、ニップル交換(歪みはスポーク折れが原因)
・塗装面、ロゴ部分のタッチアップペイント
・その他、消耗品全交換
カスタム内容
・コンポネートはギア比と市街地での取り回しを考えMTBコンポへ変更
・サスペンションフォーク→リジットフォーク
・ドロップハンドル→バーハンドル
・本所製アルミマッドガード取り付け
・Fキャリア取り付け
・スプリング式サドル
クリーニング風景(機械で研磨できない溶接部分は溶剤を使用している)
マッドガード用スペーサーと皮パッキン
32Cタイヤと隠し止めのマッドガード
ハンドル周り
グリップはfi'zi:k/フィジークのバーテープを使用。
グリップ幅を長く取ることができ、バーハンドルながらポジションに選択のゆとりを与える。
そのためブレーキレバーは4フィンガータイプに変更。
ステム周り
コラムスペーサーとカンチアウター受けはイタリアのトリコロールをモチーフとしてコーディネート。
ルイガノの発祥はカナダだが、今回はいろいろ事情がありイタリアとなっている。
リペア/カスタム費用
フィクション価格 ¥31,500(工賃、消費税込)
※フィクションサイクルは自転車店ではないため、一般の方の持ち込み修理は行っておりません。
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