2013年12月30日

15mmスルーアクスルアダプター 「15mm→9mm変換」


自転車界の本当の巨人といえば、台湾のGIANTではなく、日本の「シマノ」だろう。
こんなことを今更言うのもなんだが、自転車を扱うということは、全てがシマノの利益に繋がっていると言っても過言ではない。

よく安価な通販商品にて「日本ブランドのシマノのパーツを使用しています」という文言があるが、逆にシマノのパーツを一切使用せずに自転車をアッセンブルするためには、やたらと手間がかかり、基準値以下の安物になるか、こだわりの高額商品になるかのどちらかだ。

もし日本の自転車メーカーが、オートバイや自動車のように、強い資本と開発力を持っていたならば、シマノの一人勝ちのような現状は避けられたかもしれないが、残念ながら我々含め自転車に関わるものは、すでにシマノの術中にある。

残念とは言ってみたものの、実はこれが自転車の面白いところであり、各メーカーが挙って共通規格に合わせてくるのだから、ユーザーとしてはアッセンブルする楽しみを簡単に手にすることも可能だ。

さて今回はホイールシャフトについての話をしてみる。
これも規格についての内容にはなるが、自転車のホイールなんて無意識の内に互換性があるものだとという思い込みが許されたのも昔の話。
特にMTB系においては、その進化は目覚しく、例えば、レース会場で急遽誰かにスペアホイールを借りに行ったとしても、なかなか自分の自転車に装着できるものが見つからないなんてこともありえるかもしれない。

ロード系ならまだ簡単なので、まずはこちらから。

【フロントハブ】
 エンド幅
  100mm   ほぼ全て
 シャフト径
  9mm     ほぼ全て    

【リアハブ】
 エンド幅
  120mm   5速、および現行型トラック
  126mm   6,7速
  130mm   8,9,10速(現在の主流)
  135mm   8,9,10速(ディスクブレーキ)
 シャフト径
  10mm    ほぼ全て

つまり、フロントは「100mm 9mm」、リアは「130mm 10mm」の1種類で市販車の99%はカバーできることになる。
しかし、今後普及が見込まれるディスクロードや、更なる多段化により135mmがロードレーサーの新たなスタンダード規格になるもの時間の問題かもしれない。
このあたりも、シマノが鍵を握っているようなものである。


次に目まぐるしく変わるMTB系について。
MTBはロードに比べ、その歴史は短く、しばらくはロード規格を間借りしているような状態であったが、いよいよ独立の道を歩むことになってきた。

はっきり言えば、MTB系をひとくくりにすることは難しい。
一般人にとっては同じ「山用自転車」に見えるかもしれないが、内容的には、「裏山の散歩」から「ヒマラヤ登山」まで多岐に渡っているようなもので、その装備がまったく異なるように、MTBの世界はロードとピスト以上に性質の異なるものが混沌とクロスオーバーしているのだから、アッセンブルする立場から言えば、なかなか頭の痛い問題でもある。

とりあえず、舗装路以外を走る自転車をMTB系として、規格を並べて見る。
(トライアル車、BMXもパーツ流用可能なことから含めて記載)

【フロントハブ】
 エンド幅
   100mm   ほぼ全て
   110mm   一部DH(スルーアクルス)
 シャフト径
   8mm     シマノが提唱するトレイルやハブダイナモ等(情報少)
   9mm     従来ハブ、エントリー車、XC等
   15mm    XC車、オールマウンテン等(スルーアクルス)
   20mm    DH、ダートジャンプ、4X等(スルーアクルス)

【リアハブ】
 エンド幅
   110mm   BMX系シングル
   116mm   トライアル
   130mm   7速(MTB黎明期)
   135mm   7,8,9,10速(現在の主流)
   142mm   8,9,10速(DH系スルーアクルス)
   150mm   8,9,10速(DH系スルーアクルス)
   157mm   8,9,10速(DH系スルーアクルス)
 シャフト径
   10mm    従来ハブ、エントリー車、XC等
   12mm    新提唱規格(スルーアクルス)
   14mm    BMX系シングル
   15mm    旧DHの極一部(スルーアクルス)

もはや乱立で状態ではあるが、シマノの入り込まないシングルスピードコンポを除けば、今後ある程度まで規格は絞り込まれてくるハズである。がこれもいずれは時間の問題であり、必ずシマノは自ら作り上げた規格を破壊しにやってくるだろう。

とは言え、欲しいのは「今」である。
ユーザーの心象として、今後消え行く規格には手を出したくないもの。
どれを選択すれば後悔しないのかを考えてみるとする。

簡単に言えば、シマノが提唱し、各メーカーが追従するものだろう。
フィクションサイクルの勝手な予想だが、フロント周りについては、おそらく15mmスルーアクスルの台頭で、9mmは今後さらに追いやられるだろうと考えている。
今でさえ9mmクイックは時代遅れな感じすら漂うが、これはロードからの転用で、サスペンションフォークの高性能化にもはや剛性面で対応しきれなくなっているからだ。
また各フォークメーカーの後押しもあり、選択肢として「XC、オールマウンテン:15mmスルー」、[DH、4X、ダートジャンプ:20mmスルー」しか無くなって来るのが見える。

リア周りについては、フォーク交換で簡単に対応できるフロントと違い、フレームを作る各ブランドがどう対応してくるかで流れが変わるだろう。
おそらく12mmスルーがかなり浸透したとしても、間違いなく従来の10mmクイックはしぶとく残るに違いない。
これはスルーアクスルにはない、脱着の利便性や、市場に出回っている多くの既存フレーム、そしてエンド形状を簡単に変更できないメーカーの内情によるところが大きいだろう。

しかしいずれは135mmでは手狭になることは目に見えている。
これは近年の大径化による影響もあるが、26インチでは仮に十分な剛性を持っていたホイールが、29erや27.5インチの登場により、剛性不足に陥るからだ。
外形を大きくするには、ハブのフランジ間を広げる必要がある。
高い建物を建てるには、土台を広く取らなければならないのと同じだ。

それに加え、左にはディスクローター、右には更なる多段化を待ち構えるスプロケットが、135mmという限られたスペースを奪いあう。

135mm、次世代135mm、142mm、142+の比較

シマノがレーシングコンポの「XTR」でFH-M988をリリースしたということは、しばらく時間はかかるかもしれないが、「142mm x 12mmスルーアクスル」は今後の主役になる可能性が大きい。
まぁ、当面の間は「135mm x 10mmQR」だけしかフレームがないので、これを使うしかないだろうし、26、27.5、29erが出揃った2014年は、インプレ合戦が予想されるので、まずは自分に合ったホイールサイズを決めるのが良作だろう。

XTR FH-M988

  

ここで、この新しい規格の恩恵を、いかに簡単に享受するかということだが、やはり体感として、15mmQRの剛性アップはぜひ味わいたいところだ。
問題となってくるのが、奮発してニューバイクを新調するのも手だが、できれば既存のバイクとも互換性を持たせて、最小限の出費で最大限の活用をしたいと思うのが、人間というもの・・・。

手持ちの9mmフォークに15mmスルーのホイールが使えたら、スペアにもなるし、今後フォークを新調した時にもそのまま移行できて一石二鳥という考えが浮かんだのでトライしてみた。

「MicrOHERO/マイクロヒーロー QR15-9mmアスクル変換アダプタ」

実売価格は約2,500円ほど。
マイクロヒーローといういまいちピンと来ないメーカー製。
パッケージには「メイドインチャイナ」の文字が。


中空になっており、そのまま従来のクイックリレーズが使える。


15スルーアクスルハブとの比較。


装着した様子。
若干ガタはあるが、ゴムのOリングが入っているため、いきなり抜け落ちるようなことはない。
寸法はハブのエンドよりコンマ数ミリ短く、径が9mmの部分以外はフォークには接触しない。



実際にフォークに取り付けるた様子。
フォークへの当たり面が従来の直径の1.5倍程度になるため、これだけでも剛性アップは見込めるだろう。


ひとつ気になったのは、フォークエンドの形状によっては、15mmスルーハブが奥までセットされる前に、突起などに干渉する可能性がある点だ。
最近のフォークでは当たり面のフラット部分が大きいため、まったく問題なかったが、古いフォークではクリアランスが確保できないおそれもある。


アダプタを抜けば15mmスルーフォークにすぐに装着できるため、手持ちのホイールをすべて15mmスルーハブに組み替えても転用可能というメリットが生まれる。

気になるアダプタの耐久性だが、実際に大きな負荷が直接かかる訳でもなく、特に問題はなさそうに感じる。

ちなみにこの製品、仕様は「6061 T6」となっているが、
6000番台アルミはフレームにもよく使われている素材で、

Al-Mg-Si系合金 強度、耐食性が良好
6061 Cuをわずかに含み6063よりも強度が高い
6063 用途:建築用サッシなど
T6 - 溶体化処理後、人工時効したもの

となっている。

またCNCはコンピュータ数値制御のことで、「Computer Numerical Control」の略。

自転車のワンオフパーツを削り出す知り合いに聞いてみたが、「日本の工房でこれを作って売り出しても採算が合わないから嫌だよ」との返事。

「MicrOHERO/マイクロヒーロー」というブランドを辿っても、東京の「虹橋サイクリング」さんというお店しか該当しないところから、オリジナル商品なのかとも思うが、このようなニッチなアイテムを安価で提供してくれるのは非常にありがたいと思う。

そういう意味では、シマノの価格も他の舶来メーカーなどに比べたら、コストパフォーマンスが高く、シマノが世界に広く普及した理由の一つなのかもしれない。

4 件のコメント:

  1. スルーアクスルとクイックの変換で検索してたどり着きました。現在サイクルクロスのフロントにシマノXTのハブダイナモ(ディスクブレーキ対応)を入れて使用しています。これはもちろん9mmクイックシャフトなのですが、将来的にフロントフォークが15mmスルーアクスルが主体となった場合、9mmクイックハブを15mmスルーアクスルフォークに入れるアダプターなぞはあるのでしょうか。あるいはスルーアクスルのダイナモハブを作ってくれたら、その方がベターでしょうが、そんな製品は存在するのでしょうか。お知恵をお貸しください。

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    1. ご来店ありがとうございます。
      さて、9mmクイックハブを15mmスルーのフォークで使用とのことですが、おそらくアダプタ含めて対応は厳しいと思われます。
      理由としては、15mmスルー規格はフォークとアクスルシャフトがトータルで設計されいるため、さすがに各メーカーごとに異なるアダプタを作成しようとする者がいない点と、そもそも細い穴に太いアクスルを差し込むのは不可能という点です。

      以上のポイントから、今後ご希望される「9mmクイックハブを15mmスルーフォークで使うアダプタ」が世の中に登場する可能性は皆無です。

      次に15mmスルー対応のハブダイナモの登場ですが、これは大いに可能性があります。
      製品的には国内で流通が始まった「台湾のシャッタープレシジョン」がもっとも現実的でしょう。
      http://store.shopping.yahoo.co.jp/cycleroad/cpa-v23-120-7.html

      またハブダイナモが得意のはずのシマノが定番の「WH-3N71-R」を廃版にするなど、何故かこのところ消極的ですが、彼らの社内ではハブダイナモの案件は話が進んでいると思いますので、しばらく待ってみるもの一つの手ではないでしょうか?

      ただ15mmスルーはまだまだ発展途上であり、今後のboost規格の110mm幅化など、さらなる混乱は避けられないかもしれませんね

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    2. 諸々ご教示ありがとうございます。

      そうですね、新製品の登場を期待しつつ待ちましょう。世界のシマノよ頑張れ!
      自分はハブダイナモを主にツーリング目的で使っているのですが、MTBの世界でも使われることは多いのでしょうか。

      これを機会によろしくお願いします。

      削除
  2. お邪魔します。
    検索 虹橋サイクル からきました。

    2015年あたりから?9mmクイックハブを15mmスルーアクスルフォークに入れるアダプターあります。

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