2011年10月10日

LOUIS GARNEAU(ルイガノ) LGS-CCT 2005




















ルイガノ LGS-CCTは標準的なシクロクロスバイクの入門グレードとして2003~2007年まで販売されたモデルで、年式によって仕様はやや異なるが、ツーリングやポタリング用として人気があった。
メーカーもそれを知ってか、2008年よりモデル名がLGS-CTと変わり、フレーム素材がアルミからクロモリへ、そして古きツーリング車を思わせるクラッシクなコーディネートとなっている。

その中でも異色だったのが2005年モデルで、シクロクロスでは基本的に使用しないサスペンションフォークが採用されている。
ドロップハンドルにサスペンションという組み合わせは現在ではLGS-RAC DTなどに継承されているが、当時としては珍しく、クロスバイクの進化の過渡期に見える亜種であったと言える。

今回はN氏からのオーダーで、この自転車を通勤やちょっとしたツーリングに使えるような仕様にカスタムしてほしいという要望があった。
正直なところ何年にも渡り使い込まれた実車を目の前にしたときは、「これは新造したほうがいいんじゃ・・・?」というほどにフレームはねずみ色にくすみ、パーツは消耗の限界を向かえ、ホイールの歪みがひどく、自走不能状態であった。
しかし、数々の旅などの思い出が残るこの自転車をなんとか生き返らせてほしいと言われ、請け負うことなった。

LOUIS GARNEAU LGS-CCT 2005 カタログ仕様

LOUIS GARNEAU LGS-CCT 2005 カスタム仕様

リペア内容
・フレーム軽研磨(汚れが固着していて塗装が溶けるほどの溶剤でないと除去できなかったため)
・前後ホイールのスポーク、ニップル交換(歪みはスポーク折れが原因)
・塗装面、ロゴ部分のタッチアップペイント
・その他、消耗品全交換

カスタム内容
・コンポネートはギア比と市街地での取り回しを考えMTBコンポへ変更
・サスペンションフォーク→リジットフォーク
・ドロップハンドル→バーハンドル
・本所製アルミマッドガード取り付け
・Fキャリア取り付け
・スプリング式サドル

クリーニング風景(機械で研磨できない溶接部分は溶剤を使用している)

マッドガード用スペーサーと皮パッキン



















32Cタイヤと隠し止めのマッドガード

























ハンドル周り

グリップはfi'zi:k/フィジークのバーテープを使用。
グリップ幅を長く取ることができ、バーハンドルながらポジションに選択のゆとりを与える。
そのためブレーキレバーは4フィンガータイプに変更。

ステム周り

コラムスペーサーとカンチアウター受けはイタリアのトリコロールをモチーフとしてコーディネート。
ルイガノの発祥はカナダだが、今回はいろいろ事情がありイタリアとなっている。

リペア/カスタム費用
フィクション価格 ¥31,500(工賃、消費税込)

※フィクションサイクルは自転車店ではないため、一般の方の持ち込み修理は行っておりません。

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コンパクトデジカメで満月の撮影


失敗例



















満月は想像以上に明るい。
マニュアル操作の出来ないデジカメだと苦労する。

撮り方は一言で言えば、シャッタースピードをひたすら上げること。

上げる方法がないカメラの場合、次のような方法で撮影することが可能。

1:デジカメのシーン選択で「風景」を選択する。
マニュアルフォーカスで設定できないときは「風景」を設定すればフォーカス∞と同じとなる。

2:ズームを最大にする。
月は肉眼で見るより圧倒的に小さく写るので光学ズームでできる限り拡大する。
ズームしていないと、あとあとトリミングしても画素の関係で大きく引き伸ばすことができない。

3:ストロボをONにする。
これはまさに苦肉の策だが、カメラが暗いと判断すれば必然的にシャッタッスピードを下げようとしてくるため、ストロボをたくと見せかけて無理やりシャッタースピードを上げる。
当然ストロボは前もって遮蔽物(光を通さないもの)で覆っておくこと。

4:タイマー機能を使い撮影する。
月は明るいが、非常に遠いためちょっとの手振れが大きく影響するのでタイマーを使用する。
三脚がない場合はカメラを手に持たずに上手く固定して置く方法を考えましょう。

成功例



















光学4倍ズームではトリミングしても、このあたりが限界。



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2011年10月9日

自転車と時計メーカーとCITIZEN ATTESA

CITIZEN ATTESA ATD53-3061

自転車界に関わらず、ブランドと生産元の乖離は当たり前になっており、
「○○さんの工房で作られたから、○○というメーカー名」という生い立ちを
持ちながら、今では生産はすべて中国のOEMに依存しているという例も少なくないだろう。
一般的な消費者は無名のOEMメーカーのことなど特に興味はなく、そのブランドの持つ欧米諸国のイメージを思い浮かべては優越感に浸っている。
この傾向は特に日本人に多いらしい。

話は変わって、腕時計について。
正直、フィクションサイクルでは腕時計は専門外なので詳しくは書けないが、自転車よりもさらにブランド力が重要な世界というのは簡単に察しが付くだろう。
自転車の場合であれば、より速く、より正確に、より丈夫に、より軽く、より楽に・・・
などと機能の改善点はいくらでも挙げられる。
しかし時計となるとそうも行かない。
腕時計に求められる機能とは、「時間を知る」これしか無い。
正確な時間を知るということに関しては、年差0秒の電波クオーツが完成した段階で、すでに究極に達してしまっている。
もっと言ってしまえば、携帯性などを突き詰めて行けば腕時計という存在もいずれは否定しかねない。
ということで、腕時計に求められるものは、ファッション性やステータス性、嗜好性が重要視されるようになっているのだろうと思う。

■腕時計の種類(ムーブメントの方式)

・機械式(アナログ/アナログ多針)
  手巻き
  自動巻き

・クオーツ式(アナログ/アナログ多針/デジタル/デジアナ)
  電池式
  ソーラー式
  発電式(キネティック、スプリングドライブ含む)
  電池式電波時計
  ソーラー式電波時計

■各ムーブメントの特徴

・機械式
スイス製に代表される高級時計が多く採用しており、その精密さは工芸品とも言える。
内部に一切電気回路を持たず、ゼンマイの力を動力とする。
ステータス性、嗜好性は高いが、数年に一度の高価なオーバーホールの必要性や、日差が数十秒あることや、気候によって調子が変わるなど、人間的な部分がある。
その手間を楽しめるかどうかによって、所有する価値は変わってくる。
価格は1万円台~数千万円クラスまで存在する。
自転車に置き換えると、STIよりダブルレバー、クリンチャーよりチューブラー、カーボンパーツより穴あけ肉抜き加工、最新シマノよりオールドカンパ。といったところだろうか?

・クオーツ式
1970代より急激に広まった、比較的新しい方式。
クオーツとは水晶のことで、昔は水晶式腕時計と記載があった。
機械式がゼンマイとテンプと呼ばれる振り子で動くのに対し、クオーツ式では電気で水晶を振動させ、それを元に電気で針を動かすかデジタルの表示を行う。
「正確に時間を刻む」という性能だけみれば機械式を圧倒的に上回っており、月差は多くても15~30秒ほど。
電池交換の必要はあるものの、ムーブメントのメンテナンスは基本的には行えず、補修部品の供給期間を過ぎた時点で修理は不可能となる。
このことから“一生ものなら機械式”と言われるが、一概に正しいとも言えない。
価格は数百円~30万円程度(装飾時計を除く)
自転車に例えるなら、買い物用ギア無しママチャりだったり、純国産高級通学車であったり、電動DURA-ACEだったり、トレックの最新ツールマシンだったり、とにかく生産性や機能性に特化した雰囲気。
クオーツに関しては種類や方向性がまちまちのためなんとも言いがたい。

上記のなかで、「正確な時間を知る」という機能を中心に、何を持つべきかを考えてみた。

Q:機械式orクオーツ式
A:クオーツ式
理由:メンテナンス不要、安価、高精度

Q:電池式orソーラー式or発電式
A:ソーラー式
理由:電池交換不要で超寿命。また発電式は半分機械式の構造のため要メンテとなる。

Q:電波時計or非電波時計
A:電波時計
理由:文明の利器は利用しないと損。自動調整で年差0秒を達成。

Q:アナログorデジタル
A:アナログ
理由:個人の好みだが、TPOを選ばないアナログを選択。

ここまで来ると、選べるメーカーは非常に少なくなり国内の有名ブランドである、セイコー、シチズン、カシオからの三択となる。
今や日本のメーカーとなってしまったエルジンUSAからも電波ソーラーが発売されているようだが、あまりに情報が少ないため除外する。

SEIKO/セイコー
・BRIGHTZ/ブライツ(日本製)←店長オススメ
・DOLCE/ ドルチェ(日本製)
・PROSPEX/ プロスペックス[スピードマスター](日本製)
・SPIRIT/スピリット(中国/日本製)


CITIZEN/シチズン
・EXCEED/エクシード(日本製)
・ATTESA/アテッサ(日本製)店長オススメ
・PROMASTER/プロマスター(中国/日本製)


CASIO/カシオ
・OCEANUS/オシアナス(日本製)店長オススメ
・LINEAGE/リニエージ(タイ/日本製)
・EDIFICE/エディフィス(タイ/中国/日本製)


※生産国はamazonの情報を元にしています。真意は定かではありません。

こうして細部を比較すると、日本国内製、チタン素材、耐磁性といった部分では電波ソーラーを10年以上前から前面の押し出しているシチズンに一日の長がある言えるだろう。

またネットからの情報と時計売り場の販売員の方の意見によると・・・
・ソーラーの質
・二次電池の耐久性(20年でも初期の80%?)
・チタンの加工、ザラツ研磨技術
・耐磁性商品のラインナップ多さ(耐磁性が無いと時刻補正の回数が多くなり二次電池寿命を削る)
この点が優れているとのこと。

そして最終的に購入したのはシチズン・アテッサATD53-3061となった。
決め手となった特徴はクロノグラフ機以外でGMT針搭載であったことだ。
数あるラインナップの中でも、4針GMT機は少ない。
そしてなぜか3針モデルと価格は変わらないお得感があった。

CITIZEN ATTESA ATD53-3061 スペック
・精度:±15秒/月(非受信時) ・側材質:チタン[IP]
・表面処理:白色めっき ・ガラス:サファイアガラス(無反射コーティング)
・バンド:三ツ折れプッシュタイプ ・防水:10気圧防水
・24時間針付き(デュアルタイム表示可) ・時差修正機能
・フィットアジャスター ・パーペチュアルカレンダー
・時差修正機能 ・受信局自動選択機能
・定時受信機能 ・強制受信機能 衝撃検知機能
・針補正機能 ・充電警告機能
・過充電防止機能 ・パワーセーブ機能
・フル充電時約2.5年可動(パワーセーブ作動時) ・デュラテクトTIC
・保証:メーカー保証1年

GMTの表記と針だけが赤色 デザインはあくまで妥協

無反射コーティング サファイアガラス

裏蓋 「MADE IN JAPAN」刻印

暗所での発光(GMT針のみグリーン発光)




最後になるが、冒頭に書いたブランド名と製造元。
デザイン、ブランド時計が氾濫している現在、中と外の製造が別会社というのは当たり前だが、その中において、実は日本の時計メーカー世界の時計の中身(ムーブメント)において60%近くのシェアを誇っている。
(ヨーロッパの高級ブランド勢はETA/エタ製がクオーツ、機械式ともに搭載率が高い)
ブランドはヨーロッパ、中身は中国製というものを見飽きているせいか、信頼の日本製という言葉が懐かしく、そして嬉しく感じるような気がする。

ちなみに自社一貫生産を時計業界でマニファクチュールと呼んでいるが、ぜひとも日本の自転車メーカーも自社一貫生産を行い、消費者には“それら”と“横文字の名前の入った中国製自転車”とを見分ける力を持ってもらいたいと願う。

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2011年10月3日

Brooks(ブルックス) B17 Standard [Honey]





















ブルックス・イングランド(Brooks England )は1866年バーミンガムで創立された革サドルメーカーである。牛革を使う一枚の革を圧縮成形して製造する。革サドルを製造するメーカーとして現存している希有な会社。当初は馬具から始まり、全盛期は自転車のサドルのみならず、モーターサイクル用のサドルも手掛けた。定番モデルとしてB-17、プロフェッショナルなどがある。クラシックなサドルとして見られがちだが、近年ではサドルのレール部分をチタンにする軽量モデルも製造している。

革のサドルといえばブルックスだろう。
もはや代名詞とも言えるほど、唯一無二の存在となってしまった。

この時代を感じる革サドルだが、実はどんな自転車だろうと、そつなく似合ってしまうのだ。
カーボンモノコックにバリバリのスポンサーカラーではややきついが、そんなときでもSwallow(スワロー)の守備範囲の広さに驚くことだろう。

さらに使えば使い込むほど味が出て、自分の形にあったサドルに変化するというのだから、一度は使ってみてもいいんではないかと思う。
気になるお値段はB17スタンダードで1万円弱ほど。
レーサーの軽量サドルよりかは、よっぽど良心的な価格だ。


ただし欠点がないわけでもない。
それは重量の問題だ。

サドル(シート)は自転車の部位としてもっとも高い位置にあるため、ダンシング時などの事を考え、特に軽いほうが良いとされている。

サドル(シート)の大まかな重量と区分

120g以下:超軽量サドル、ヒルクライム用、乗り心地は完全無視。
120~180g:軽量サドル、シートレールにカーボンorチタン採用、デザインは一般と同じ。
180~250g:レース用サドル、軽さとクッション性を両立。
250~350g:ロングライド、トレイル、レディース、MTBレース、クッション性を重視。
350g以上:クッション性重視、デザイン重視のスチールレール、廉価版サドル、革サドル。

以上は勝手なイメージで区分けしたが、革サドルでは、もっとも高価で軽量とされるスワローのチタンレールでも360gとなっている。

Brooks B17 Standard



















そしてB17スタンダードにおいては実測503gと重量級の部類となっている。
(ちなみにB17のメーカー公表値は520gで17g軽い結果に)

Brooks B17 Standard  カラー:ブラック/ハニー

フィクション価格 ¥14,500(税込) 

※一般の方への販売は行っておりません。また仕入先(会社帰りの東急ハンズ)の状況によって販売価格が変動する可能性がございます。
※万一購入をご検討の方がいらっしゃいましたら下記のアマゾンのリンクよりお買い求めください。


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2011年10月2日

Panasonic HURRYER(ハリヤ) BE-EPH672F

スポーツタイプ電動自転車の先駆者、パナソニック ハリヤ。






































初代ハリアはレギュラーヘッドに細めのフレームという仕様だったが、
この二代目ハリアではオーバーサイズのインテグラルヘッドに変更されており、部品の調達が安易になったことから、フォーク交換に始まり、ホイール、ブレーキ、ハンドルといった各所にカスタムが施された車体を多く見るようになった。
もちろん電動自転車と一般自転車では法律の観点からも別物なので、フルカルタムとはいかないが、
ご法度であるギア比、ユニットあたりの改造を除けば、概ねカスタムは可能である。

なぜ今更2008年車なのか?という疑問もあるが、フレームが一番スポーティーなのがこの年式だけなのだ。
2009年からはワイヤーインフレームのため、見た目がさらに太くなっておりMTBっぽさは失われている。
ユニットのマウント規格は現行車まで共通なので、新レギュレーションユニットへの換装も可能だが、法律に接触すると思われるため、個人の判断に委ねる。
またリアエンドは135mmのMTBコンポネートとなるため、9速など様々なスプロケットを使用できるが、これも道交法の観点から、トップギアを一段殺す等の配慮が必要だ。

BE-EPH672B 市販状態




















BE-EPH672F カスタム




















BE-EPH672F ユニット部




















このハリヤは「フリーライド」+「電動自転車」=「エポックメイキング」
を狙ったもので、何度か仕様変更を行い、パークやトレイルに持ち込んだ。
トレイルでは驚異的なパワーを発揮し、担ぎセクションすら登ってしまった。
しかし、トラクションを稼ごうと後ろ体重にすれば前輪が浮いてしまうなど、未知の乗り物に対して苦戦したが、最終的には衝撃などでユニットのエラーで度々アシスト停止の状態となり、まだ時期尚早であったことを思い知った。

しかし先人たちはこんなことにもめげず、よくもまぁ山に登ったものだと関心してしまう。

マウンテンバイクの歴史(Wikipediaより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF
1970年代後半にアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のマリン郡で、ヒッピー達がビーチクルーザーや実用車などに太いタイヤをつけ、急勾配の山を下りタイムを競った遊びが始まりと言われている。同時期に北カリフォルニアでも同じ遊びが発生していたが、一般的にマリン郡がマウンテンバイク発祥の地とされるのは、同郡マウント・タム(タマルパイアス山)で行われていた当時最大のレースによるところが大きい。

初期の改造ビーチクルーザーは必ずしも完成度は高くなく、あまりの重さで変速もないために山に登る時は押して歩き、下り坂で乗って遊んだが、そのたびに車輪がゆがんだり外れたりしたものだったらしい。またこのような新しい自転車はまだ名前などなく、各自が「クランカー(clunker -「ガラクタ」の意)」「バルーナー(balooner)」「ボマー(bomber)」と様々に呼んでいたらしい。


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自転車のサドルの規格

先ほど友人から質問のメールが来た。
彼は自転車は好きなのだが、完全なメカオンチなので技術的なことを良く聞かれるのだが、
今回の質問は自分自身悩んでしまったので記事にしてみた。

Q:『ブルックスのこんなサドルがあるんですが、ルイガノにあうかな?』



















A:『合います。』

さて、では合わないサドルといえば?
・・・カシマ(加島サドル製作所) ファイブゴールド7!
ととっさに思いついたのであれば過去に競輪学校を目指してたか、よほどのサドルマニアでしょう。

真面目な話、これほど規格の多い自転車界において、サドルのレール幅ほど統一されているのも珍しいと思う。

レールタイプ
・スタンダード/レール間隔:43~44mm
(ママチャリ、クロスバイク、ロードレーサー、マウンテンバイク、実用車、電動自転車 etc.)
・ナローレール/レール間隔:30mm (NJSピスト etc.)

特殊規格
・ピボタル方式 (BMX etc.)
・I-BEAM (DHBike etc.)
・ポスト一体型サドル (幼児車、低床式車 etc.)

上記が大体の区分けとなる。
スタンダードのレールタイプが99%くらい占めていると思って間違いないだろう。(子供車除く)
また目撃例としてスタンダードとナローの中間幅の存在が確認されているが、
ほとんどの場合、「ちょっと広げたら入った」というアバウトな対応になるので、
実は独自規格or製造寸法ミスのどちらかが市場に流通しているのかもしれない。



旅する自転車の作りかた 大槻正哉 (著)

旅する自転車の作りかた (シクロツーリストブック)



















商品の説明 (amazon.co.jpより引用)
 
・内容紹介
近年、「ランドナー」と呼ばれる旅行用の自転車の人気が再燃しています。
本書は美しいランドナー作りに欠かせないスキルやノウハウ、部品情報を写真と平明な文章、数値、数々の実体験と実例に基づいて解き明かすものです。
 
・出版社からのコメント
ランドナーが欲しいと思っている人、すでに持っている人、そして本来は知っているはずの自転車ショップスタッフにとって「知りたいことがわかる!」本であり、ストライクゾーンを直撃する本です。
 
・著者について
人気を集める旅自転車専門店「ベロクラフト」(東京・吉祥寺)の店長。
自転車雑誌で常に注目されている実力派です。
 
・著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大槻 正哉
1972年東京生まれ。1993年に(株)ジャパンヘルス入社。サイクル事業部「CWS」に勤務し、店頭業務・サポート選手へのメカニカルサポート・新店舗開発などを歴任。現在は(株)ジャパンヘルスの旅自転車専門店「velocraft」に在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


そして本来は知っているはずの自転車ショップスタッフにとって「知りたいことがわかる!」本であり・・・
と説明にもあるように、普通のショップスタッフでは知らないようなことが多々書いてある本である。

そもそも、ツーリング車は求められることが違っている。
ロードレーサーやMTBと違い競技性が無く、現在では完全なる嗜好品となっているため、機能的に100%を発揮するツーリング車を組み上げても、それだけでは満足はしないだろう。
また仮に当人が満足してようと、どこからともなく“その筋の方”が現れて、「あ~、なっちゃいないねぇ」とウンチクを語り、その道に引きずり込もうとするのもよく聞く話だ。
これが個人の話であればまだいいが、プロショップで大金を叩いて購入した愛車ともなれば、
ダメ出しされた時のショックと自転車店に対する恨みもひとしおだろう。


そんな危険を少しでも回避するカンペとしておススメの本である。
内容的には広く浅く、誰でも読める内容となっているが、巻末に登場する東叡社ツーリング車の鮮明なカットと寸法データや、マッドガード関係の資料は、普段ツーリング車を専門としていない自転車店にとっても仕上がりをイメージしやすく、また他に聞きにくい細かい部分の処理などが確認できるので、迷ったときに役に立つ有難い存在となっている。

旅する自転車の作りかた Index


PART 1 旅する自転車の仲間たち 旅のスタイルで自転車を選ぶ
・小旅行用快走ランドナー
・乗り心地重視の快適ランドナー
・長距離を快走するスポルティーフ
・長期間の旅に対応するキャンピング
・メーカー完成車とオーダー・ハンドメイド車
・ランドナーとどう違う? モダンツーリングバイク

PART 2 旅を支えるパーツたち
・ランドナー系の旅行車に用いられるパーツ
・ホイールの規格と選びかた
・タイヤの太さは荷物と乗り心地で選ぶ
・マッドガードの機能と形状
・タイヤの太さとマッドガードの相性
・輪行スタイルとマッドガードの関係
・キャリアとバッグが旅する自転車製作の決め手
・変速ギヤシステムの選びかた
・シフトレバーのメリットとデメリット
・ブレーキレバーのメリットとデメリット
・STIレバーをツーリング車で活用するノウハウ
・ブレーキの選びかた
・ハンドルバーの選びかた
・ステムの長さとフレームサイズ
・バーテープの素材と使用感
・スレッドタイプのヘッドパーツを使う
・旅する自転車に欠かせない革サドル
・シートピラーの突き出しを考える
・ペダルはビンディングかトークリップを選ぶ
・ライトはツーリングの必須アイテム

PART 3 フレーム&ホイールを用意するフレームパイプの選択
・フレームの各種工作と直付け小物
・オーダーメイドフレームの購入方法
・カラーリングにこだわる
・ツーリングフレームの最高峰、東叡社
・組み立て前に行うフレームの下処理
・スポークの本数と組みかた
・ホイールを構成する部品たち
・ハブにスポークを通す
・ホイールを仮組する
・ホイールの「振れ」を取る
・スポークのテンションを確認する
・フレームの下処理を仕上げる

PART 4 旅自転車を組み立てるマッドガードを取り付ける
・マッドガードの先端部をカットする
・取り付け穴を開け、パッキンを作る
・マッドガードの後端部を仕上げる
・U字ステーでマッドガードを固定する
・リアのマッドガードを取り付ける
・分割式マッドガードとライトの装着
・フラップと松葉ステー
・車種別マッドガード取り付け位置
・ハンドル周りの取り付け
・駆動系メカの取り付け
・バーテープの巻きかた[コルクテープ編]
・バーテープの巻きかた[コットンテープ編]
・ヘンプ巻きとニス塗り
・インナーワイヤーのハンダ処理
・最終チェックを経て完成



旅する自転車の作りかた 大槻氏直筆サイン
最後にこの本の特筆する点を2つ
①これまで自転車店の門外不出のノウハウが全部ではないが写真付きで説明されている。
②STIを提案するなど、懐古主義にとらわれないながらも、スタイルを維持し「その筋の方」と共存している。

商売をするにおいて、ノウハウを囲い込んで自店の利益とするのが慣例であったが、
反対にオープンにすることで業界の活性化を狙い、知名度と利益を手にしようとする大槻氏は、
やはり自転車界でも一歩抜け出た存在であろうと思う。




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